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OEK・ゴトーニ [コンサート]

2012年2月5日(日)15:00~ @石川県立音楽堂コンサートホール

Domenico Cimarosa: 歌劇「秘密の結婚」序曲
Aulis Sallinen: ヴァイオリン、ピアノ、管楽のための室内協奏曲 Op.87
  第1楽章 「6月の嵐」  第2楽章「ドルチェ」  第3楽章「はかないエピグラフ」

  *  *
Luigi Cherubini: レクイエム ハ短調

  ラルフ・ゴトーニ(Pf. Cond.)  アビゲイル・ヤング(Vn.)
  オーケストラ・アンサンブル・金沢
  オーケストラ・アンサンブル・金沢合唱団


往年の非常な人気作曲家、しかし現在ではそれほど有名ではないチマローザ・
ケルビーニと、現代作曲家サッリネンという、珍しいプログラム。
先日もっとカンタービレでピアノを弾いた(しかも先週は、私は聴いていないけど
OEK定期公演マイスターシリーズでも弾き振りをした)ゴトーニさんの指揮である。


チマローザはロッシーニ以前には屈指の名声を誇っていたオペラ作曲家だそうだ。
快活で軽快な、これから何かが始まるワクワク感に満ちた音楽。
オペラ音楽には詳しくないのだが、いわれてみればロッシーニとも通ずるところが
あるような。イタリア~ンな、陽気で享楽的なメロディが、最後までテンポを
緩めることなく軽やかに疾走する。

次はフィンランドの作曲家サッリネンの、2005年に作曲された室内協奏曲。
これが日本初演だそうだ。タイトルのとおり、ピアノとヴァイオリン、フルート、
オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンの独奏プラス弦楽合奏。
ピアノはゴトーニさんの弾き振り、ヴァイオリンはアビゲイルさんのソロ。
管楽器がそれぞれひとりずつなので、なんだか後方がさびしかった。
現代音楽だけれども、調性を失ったり実験的になったりはしていなくて聴きやすい。
この曲はアウシュヴィッツで亡くなったイレーヌ・ネミロフという作家の小説
「フランス組曲」に触発されたものだという。第1・2楽章のタイトルは、小説の
章タイトルをそのまま採用したもので、ナチスのフランス侵攻・占領をテーマに
しているものだとか。
第1楽章は、漠然とした不安と諦め、じわじわと自覚なしに蝕んでいく、決して
劇的ではない絶望。短三度の特徴的な音形が繰り返されるのが、強迫観念っぽい。
第2楽章は悲劇から目を背けようとしているかのような、浮わついた陽気さ。
第3楽章はきわめて短く、ふと途切れて終わってしまう。不安な余韻。
淡々としていながら何か深いものを感じさせる「墓碑銘」か。
アビゲイルさんのソロは素晴らしかった。弦楽器は、ひそやかな音がとても効果的。
次々に現れる管楽器のソロも、多彩というよりは陰影に満ちている。
不思議な余韻のある曲で、もう一度ゆっくり聴いてみたいものだ。

後半はケルビーニの「レクイエム」。
ベートーヴェン、シューマン、ブラームス、ベルリオーズが絶賛したそうな。
そのとおり、非常に荘厳な、メリハリのある、素晴らしい教会堂のような音楽。
個人的には、モーツァルトのレクイエムよりも好きかもしれない。
やっぱり合唱がいいですね。声で、教会のステンドグラスや、聖像や、そういった
ものを形作っているかのような。あるいは、聖書の物語をつむいでいるかのような。
ひんやりとした石造りの教会の中にいるかのような錯覚。
実際に教会で演奏されることがあるならば、ぜひ聴いてみたいと思った。

終演後、ゴトーニさんとアビゲイルさんのサイン会があったようだ。
ゴトーニさんもさることながら、すっかりアビゲイルさんのファンになってしまったので
ちょっと気を惹かれたが、まぁアビゲイルさんのサインはまたもらう機会もあるでしょう。
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