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OEK ケン・シエ&吉田恭子 [コンサート]

Robert Schumann: 序曲、スケルツォと終曲 Op.52
Peter Ilyich Tchaikovsky: ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35
  *
Georges Bizet: 交響曲第1番 ハ長調

 ケン・シエ(Cond.)  吉田恭子(Vn.)
 オーケストラアンサンブル金沢


朗らかで軽やかな演奏を得意とするOEKに、若さあふれるケン・シエさんの指揮がとても
よく合っていて、全体としてスピード感にあふれる、とても楽しい演奏会でした。

今日のプログラムのテーマは、「喝采から遠く世に出た作品たち」。
つまり当時は評価されなかった、しかし名曲というのだから面白い。
チャイコフスキーのヴァイコンなんて、今では押しも押されぬ名曲に数えられているというのに、
当時はあちこちで酷評されたらしい。
民衆の音楽の好みというのはそんなに変わるものなのかな?


最初のシューマンは、新婚で幸せの絶頂にあった時期の作だそうで、最初こそ暗めのメロディで
始まるものの、全曲を通して明るいイメージで、歯切れの良いリズムが多用され、彼特有の
不安定さや暗さがどこにもない。たしかにひんぱんな転調とかは彼らしいのだろうけれど、
暗いイメージにならない。それは速めのテンポ設定によるところも大きいのかもしれないけれど、
おお、音楽がスキップしている。踊ってる。弾んでる! これを作ったときのロベルト君、
幸せすぎて頭にお花が咲いてたんじゃないか? と思うくらい(笑)
フィナーレのラストでは、歓喜の歌を高らかに歌い上げるなんて、コレほんとにシューマン??
と、ふだん彼のピアノ曲や室内楽曲ばかり聴いている私は、ちょっとクスクス笑ってしまった。
いや、いい曲なんですよ。単に、あまりにもイメージが違ったので面喰らって。
彼の場合、結婚まではとても苦労したからね… 幸せって素晴らしいですね。
(帰宅してからピアノクウィンテットをかけて、その独特の音の動きに、ああシューマンだ、と
ホッとしてしまいました…。)

お次はチャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルト。
独奏の吉田恭子さんの音に、ちょっと惚れてしまった。女性的で、やわらかで、たおやかで、
色っぽい。これみよがしな艶っぽさではなく、和装の美人のように、はんなりとした色気。
やわらかに薫き込めたお香のように、ふわりと匂って自然と引き寄せられるような。
独奏、という意味では、前に出る勢いとか自己主張には欠けていたと思う。前に出なくても、
存在感はあるのだけど、勢いの良いオケの中に入ると、どうしても埋没してしまう。
第2楽章は、まるで竹久夢二の女性画。どこまでもやわらかくて頼りなげで。(くねくねした
色っぽさという意味ではありません)
こういう独奏には、鷹揚に構えた大旦那、という感じのオケがぴったりだと思うのだけれど、
そういう意味では今日のオケとの相性はイマイチ。若すぎるというか、鷹揚さに少し欠けると
いうか、うーん、旦那の想い人の世話を頼まれた番頭さんみたい?
第3楽章は、かなり速めなのもあって、ちょっと苦しそうだったかな? ハキハキとしたオケに
対し、ヴァイオリンはあくまでやわらかく、速くなっても日舞のような優雅さ、まろやかさが伴う。
鋭角の動きがない感じ。だから最後の掛け合いは、オケに迫力負け。
つまるところ、コンチェルト向きの人ではないのだと思う。コンチェルトには、自己主張の強い、
香水のきつい、ダイナマイツボディの西洋美人が似合うわけですね(笑)
でも静かめの室内楽だったら、それはウットリできるだろうなぁ。

休憩を挟んでビゼー。天才少年が17歳のときに作曲した、現存する唯一の彼の交響曲である。
なんとこの曲の初演は78年も経ってからのことだったそうだ。
第1楽章。うーむ、若い! 青春が爆発だ! OEKとケン・シエさんの組み合わせにはピッタリ。
でも、できればこれ、青春真っ最中、勢いが有り余ってる感じの学生オケで聴いてみたい。
一昔前の学生歌を思わせるようなメロディもあったので、よけいにそんな感じ。
第2楽章。オーボエのソロ旋律が切なくて、とてもよろしい。
最上級生の美しきコンミスに絶賛片想い中のオーボエ君に吹いてほしいぞ(妄想爆発中)。
ただ、メロディは綺麗なんだけど、全体としては長さのわりに聴きどころが少なくて、メリハリが
ない。ちょっと退屈してしまった。
第3楽章。弾むリズムと歯切れの良いテンポ、どこまでも明るい曲想、やっぱり若いなー。
なぜかお馬さんが脳裏に浮かんだ。華やかに開始が告げられ、ファンファーレとともに
入場してくる、競馬? 馬術競技?
第4楽章。はしゃぎながら競い合っているような、やっぱり学生さんのサークル活動?
真剣勝負じゃないスポーツとか、学園祭のナントカ大会、みたいな、お祭の華やかさ。
全体として、若さ、溌剌さがあまりにもキラキラしていて、眩しくて、曲としての完成度とかは
自然と度外視してしまう、というようなイメージ。
うん、やっぱりゼヒとも現役の学生さんにやってほしい曲だ。誰かに勧めてみようかしらん。
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