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南西ドイツフィル&庄司紗矢香 [コンサート]

W.A.Mozart: 交響曲第31番ニ長調 K.297 「パリ」
S.Prokofiev: ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調 op.63
 (Encore) J.S.Bach: 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番ロ短調
                BWV1002より「ブーレ」
A.Dvořák: 交響曲第8番ト短調 op.88
 (Encore) A.Dvořák: スラヴ舞曲op.46 No.8(フリアント)

  南西ドイツ・フィルハーモニー交響楽団
  ヴァシリス・クリストプロス(cond.)
  庄司紗矢香(Vn.)


今日の感想。すごくすごく楽しかった!! サイコー!! 踊りだしたい気分。

モーツァルトは、とにかく軽やかで明るく華やかに、というのが「らしい」演奏だとすれば、
今日のモーツァルトはとっても「らしくない」、地に足のついた感じのする、骨太の演奏だった。
でもこれがとても新鮮で良かった。旅から旅へとひらひら飛び回っていたモーツァルトだけれど、
長生きしてれば腰を落ち着けることもあったかもしれない、そうしたらこんな風になったのかも?
そう思わせるような、まぎれもなくモーツァルトでありながら、どこか落ち着いて、
根を下ろしたものがしっかりとある感じ。



庄司さんのプロコフィエフ。ヴァイオリンのソロに始まる。なんてステキな音を出すんだろう。
決して動きは大きくない、淡々と演奏しているようにみえるのだけれど、しかしヴァイオリンは
あざやかに刻々と表情を変え、歌い上げる。
とても陰影に富んだ、……いや、陰影ではなく、色かな。青から緑にかけての、暗い色。
曇りの日の森の中とか、荒れ模様の海とか、そういうイメージの色が、急に透明度が増したり、
ふと翳るような灰色が混じったり、青みが強くなったり、緑が勝ったり、色が交じりあって
渦を巻いたり、グラデーションになったり。そんな光と色の流れるような鮮烈な変化を
息をのんで見惚れているような、そんな印象の音を堪能した第1楽章だった。

第2楽章は、打って変わってやさしく甘いメロディ。
しかし甘ったるいわけではない、澄み切って柔らかく、凛としてしかもしなやかな、美しい音。
ヴァイオリンの最高音部の、張り詰めた美しさときたら! 
壊れ物のようなはかない美しさではない、本当にしなやかな勁さがあるのだ。

第3楽章。凄い。胆のすわった凄みすら感じさせる迫力。
凛とした美しさは微塵もそこなわれていない。なのにそこには腹を括った覚悟のほどが
感じられるよう。ヴァイオリンが「お腹の底から声を出している」、そう思った。
プロコはもともと好きなのだけれど、このギリギリの緊張感がたまらない。それにピッタリと
はまる、いや、もっと緊張を掻き立てるような演奏。ゾクゾクした。

アンコールのヴァイオリンソロ、パルティータも、なんて音! 
甘くて苦い、極上のチョコレートみたいな味わい。口あたりがいいだけじゃない、
きっとそこにはお酒もたっぷり沁みこんでいて、もう酔ってしまいそう。

庄司さんにひたすら眼も耳も奪われていたのだけれど、しかしオケがまた良かった。
絶妙のサポート、欲しいところにすっと差し出されるような、決して差し出がましくなく、
それでいてしっかりと存在感のある、ソロを決して邪魔しない、本当にいい塩梅で
気持ちの良い演奏だった。モーツァルトの時にはかなり素朴な印象だったので、
始まる前にはどうかな?と思っていたのだが、洗練された協奏だった。
庄司さんがお目当てで行ったのだが、ここにきてオケにもとても興味が出てきた。

そしてドヴォルザーク。
このリズム感、色彩感、躍動感。どっしりと根を踏ん張って天を目指す大樹のように、
とても揺るぎなくて、厳しい自然にあってしかも生命が息づいているあたたかい感じ。
そう、これだよこれ、やっぱりこれがドヴォルザークだ。
奇を衒ったところのない、まっすぐな演奏だと思った。だけど平凡という意味ではない。
そのテンポやリズムのひとつひとつが、ものすごく自然なのだ。音が身体の細胞ひとつ
ひとつに語りかけて、自分の身体の心拍や血流のリズムまでこの音楽に合わせている
のじゃないかと思うぐらい、聴いていて本当に気持ちがいい。緩急も、ぴったりくる。
いつの間にか、身体が勝手にリズムを刻んでいる。
管楽器のソロが多くて楽しい。そして弦楽器の伸びやかさ。特にppのところの、
息を潜めるような、かすかな音はすばらしく綺麗だった。
実はけっこうバラケてたりもしたのだけど、それに気がついても気に障らない。
音楽が本当にしっかりしていれば瑣細なことはマイナスの印象を与えないのだ。

アンコールはスラヴ舞曲。これももう、ステップを踏む足音が聞こえてきそうな、
翻るスカートが見えるような、すばらしい躍動感。合わせて踊りたくなる。
ちょっとラストで息切れしたかな? でも最後まで本当にステキだった。

指揮者さんはこのオケの音楽監督、なるほど息もぴったりだし、オケもとても感じのいい、
一体感の感じられる演奏だった。庄司さんのときにもラストにも、メンバーが足をドンドン。
本当に音楽が好きで、演奏者どうしの敬意もあって、和気あいあいという感じ。
そういうのも含めて、最高の演奏会だったと思います。
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